大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)2875 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人草野豹一郎の上告趣意第一点について。

刑訴応急措置法第一三条第二項の規定は、同法第一六条の規定と相俟つて、上告

審をして純然たる法律審とする趣旨であつて、たゞに旧刑訴第四一二条乃至第四一

四条所定の事由を上告理由とすることを許さないばかりでなく、上告審をして旧刑

訴第四三四条第三項に基く職権調査の手続をも省かせる意味をも有するものと解す

べきであるから(昭和二四年(れ)第一五八一号、同二五年一一月二九日言渡大法

廷判決参照)、上告審に右のような職権調査の権能があることを前提として刑訴応

急措置法第一三条第二項の規定が違憲であるとする所論は、採用することができな

い。

同第二点について。

所論事実誤認の主張は、前記措置法第一三条第二項の規定により、上告の適法な

理由と認めることができない。

同第三点(追加上告趣意)について。

裁判所が、連続一罪として起訴された数個の行為の中その一部を無罪と認める場

合には、右無罪の部分については主文において特別に無罪の言渡を為すべきでない

ことは当裁判所の判例とするところであつて(昭和二三年(れ)第一〇三八号、同

二四年三月一二日言渡第二小法廷判決参照)、今尚これを変更する必要を認めない

から、所論は採用することができない(論旨引用の大審院判例は、本件と事実関係

を異にし、適切ではない)。

被告人の上告趣意書は、期間経過後に提出されたものであるから(一一月二六日

最終日のところ二月九日提出)、これに対しては判断を示さない。

- 1 -

よつて、本件上告はこれを棄却すべきものとし、刑訴施行法第二条旧刑訴第四四

六条に従い主文のとおり判決する。

右は全裁判官一致の意見によるものである。

検察官 十蔵寺宗雄関与

昭和二五年一二月二八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 小 谷 勝 重

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!